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国立公文書館に保管されている乗船名簿。表紙には、高倉山丸が1947年11月19日に樺太を出発し、22日に函館に到着したことが記載されている=2025年5月19日午後0時50分、東京都千代田区、古畑航希撮影
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 終戦後、北方領土から樺太経由で北海道に引き揚げた元島民らの名簿が20日、東京都内で関係者に公開された。元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟関東支部が国立公文書館に保管されているのを突き止め、手続きを得て複写した。支部によると、約8800人分の氏名や年齢などが記されているという。

 元島民らは旧ソ連の占領下、北方領土から強制退去させられた。資料はほとんど残っておらず、元島民らの証言などで伝えられてきた。支部は、そんな歴史をたどる客観的な資料として名簿を役立てる方針。内閣府北方対策本部の担当者は「元島民にとって、自身のルーツを資料でも確認できる意義がある」と話す。

 支部によると、1947年7月~48年10月、元島民らが乗船した延べ16隻の名簿。引き揚げ船ごとに出発・到着港や日時、氏名、引き揚げ前の住所などが記されており、船内で6人が誕生し、21人が死亡した記録も確認されたという。

 旧厚生省がまとめた乗船名簿…

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